夏バテ防止に、にんにくが良いのは本当なのか?
ニンニクが夏バテに良い理由
夏バテにおすすめの食材がニンニクです。ニンニクはスタミナがつく食材というイメージが定着しているようですが、どうしてニンニクが夏バテによいとされているのでしょうか。
それについて記載していきます。
ニンニクが夏バテに良いとされる理由
体を動かす主なエネルギーは糖質です。糖質をエネルギーに変えるにはビタミンB1が必要です。
ニンニクにはアリシンという成分が含まれているのですが、アリシンはビタミンB1と結合をすると体内に吸収されやすいアリチミンという物質に変化をします。
アリチミンは活性持続性B1とも呼ばれていて、長く血中にとどまることができます。そのため、長時間にわたって疲労回復をサポートしてくれるのです。
また、アリシンにはビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。ビタミンB1が十分な量吸収されることで、糖をエネルギーに効率的に変換できるようになり、疲労の軽減が期待できます。
このような働きがあるので、ニンニクはビタミンB1が多い食材と一緒に摂取することがおすすめです。
夏場はクーラーの使用や冷たいものの食べすぎ飲み過ぎで体が冷えやすくなっています。
体の冷えも夏バテの原因です。
体が冷えると血流が悪くなり、体の隅々に酸素や栄養が行きわたらなくなってしまい、疲れやすくなるのです。
ニンニクには血流をよくする働きがあります。これはアリシンが加熱されることで変化したスコルジニンという成分の働きによるものです。
血流がよくなることで体の隅々に酸素や栄養が行きわたり、細胞の代謝が活発になって夏バテの予防が期待できます。
けれども、食べ過ぎには注意
ニンニクが夏バテによいといわれていても食べすぎには注意が必要です。
ニンニクには刺激があるので、食べ過ぎると胃を荒してしまいます。ひどい場合には吐き気がすることもあります。
また、腸内の有用な菌を減らしたしまうことにもなります。ニンニクに含まれるアリシンには殺菌作用があり、食べ過ぎると殺菌作用が強くでて腸内の菌を殺してしまうのです。
腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌が棲みついています。悪玉菌だけ殺菌してくれると人間にとって都合がよいかもしれませんが、アリシンは善玉菌・悪玉菌を区別せずに殺菌をします。
腸内細菌叢が乱れると下痢を起こすことがあります。下痢とは便に水分が含まれた状態で排泄されることです。
通常は大腸で便の水分が吸収されるのですが、腸内細菌叢が乱れると腸の働きが落ちて下痢になると考えられます。
そして、臭いも気になります。餃子やキムチなどニンニクが入っている料理を食べたことがある方はわかると思いますが、ニンニクを食べた後にはすごく強い臭いが残ります。
少量なら数時間程度で臭いが消えるかもしれませんが、毎日のように大量に食べていると常に臭いが気になる心配があります。
また、血小板凝集を抑制する作用があるため、ワルファリンなど血液凝固に関連する薬剤との併用は避けなければなりません。
1日2~3かけが適量だといわれていますが、人によって適量は違うので体調を見ながら量を調整してください。
過ぎたるは及ばざるがごとしといわれますが、過剰摂取には注意が必要です。
ニンニクと豚肉の組み合わせが良い理由
夏バテの予防のためにはニンニクを豚肉を合わせて摂取することがおすすめです。
ニンニクに含まれるアリシンはビタミンB1の吸収を助ける働きがあります。
ビタミンB1が多い食品が豚肉です。つまり、ニンニクと豚肉を組み合わせると豚肉のビタミンB1を効率的に吸収出来て、疲労の回復が期待できるのです。
アリシンは切ったりすりおろしたりしないと生まれない成分です。
ニンニクに含まれるアリインという成分とタンパク質分解酵素ノアリイナーゼが空気に触れることで、アリシンという成分に変換されます。
空気に触れる面積が多いほどアリシンに変換されるので、大ざっぱに切るよりも細かく切る、切るよりもすりおろして調理するとよいでしょう。
スライスよりはみじんぎり、みじんぎりよりはすりおろすことがおすすめです。
アリシンは揮発性で20分ほど置くと空気中に逃げてしまうので、切ったりすりおろしたりしたら早めに調理をすることがポイントです。
60度以上で酵素の活性が失われるので、最初から油と一緒にフライパンに入れて調理をします。
このような調理方法に気をつけて豚肉と一緒に調理をしてみてください。ニンニクと豚肉の炒め物は、紹介したような調理方法です。
その他にも、ニンニクと豚肉のパスタ、ニンニクを使用した煮豚などさまざまなレシピがあります。
毎日同じようなものを食べていると飽きてしまうので、いろいろなレシピに挑戦してニンニクと豚肉の料理を楽しんでみてください。